特捜班CI☆5 傑作選DVD-BOX発売記念キャンペーン 第1弾
あなたのCI☆5コラム 発表!
 
 年末年始の忙しい時期が応募期間だったにもかかわらず、コラムを投稿してくださった方、
本当にありがとうございました。
どれも力作揃いで、CI☆5を心より愛している気持ちが伝わってきました!
それでは、優秀賞コラムを以下に発表します!

テーマ 投稿者・コラムタイトル
CI☆5 声優論 『CI☆5脇の声優のちょっとマニアックな話』 dubbed様
CI☆5にみる酒・食事論 『CI☆5にみる酒と食事・概論』 CI5ファン様
CI☆5 日本での放送の歩み 『関西におけるCI☆5放送データ』 Julie様
CI☆5と007シリーズの関係論 『次の007はCI☆5魂との融合と進化!』 ハニッシュ様
CI☆5にみる理想の組織論 よく目にするランキングニュースのひとつ「あなたの理想の上司は誰ですか」 ぶらん様 
CI☆5にみる男の友情論 『クールなのに伝わる、友情と信頼』 くださいの豚様
『甘えるドイル、懐くボーディ』 Julie様
 なお、賞品につきましては今月末発送予定です。


 CI☆5といえば、絶妙な日本語吹替が魅力ですね。その吹き替えで声を演じる役者=声優さんについて論じてみたいと思います。ただし、主演の3人はこちらのサイトやブックレットでも詳しく解説されているので、それ以外の脇役を担当した声優にスポットを当ててみることにします。

  「あぶく銭は身につかないものなんだ!」のケラーをアテた玄田哲章は、アーノルド・シュワルツェネッガーの声を一手に引き受けています。ささきいさおが担当のシルベスタ・スタローンも、たまにこの人がアテますが、スタローンをもともと吹き替えていたのは玄田氏のほうです。「デス・レース2000年」のマシンガン・ジョー役のスタローンが最初だったと思います。スタローンは他に譲った玄田氏ですが、シュワちゃんは逆に他の声優から奪い取る形になりました。初期にシュワちゃんをアテていたのは、屋良有作。「姿なき仕掛け人 時限爆弾は白昼炸裂する」のフィリップスの声優です。月曜ロードショーで最初に放送された「コマンドー」でシュワちゃんを吹き替え。「プレデター」の最初のテレビ放送、深夜に放送された「アーノルド・シュワルツェネッガーのヘラクレス」などしばらく続いていましたが、いつの間にか玄田氏に。ただ、「トータル・リコール」をはじめとするビデオの吹替版では、最近まで屋良氏がシュワ係でした。シュワつながりでは、「ミックスダブルス 殺し屋VSボディガード」の教官マクリーンをアテた銀河万丈も、月曜ロードショーの初放送版「ゴリラ」でシュワちゃんをアテていました。

 「病院ジャック 屋根の上のトーチカ作戦」のロディをアテた加藤清三は、『巨人の星』の星一徹で有名ですね。アニメつながりなら「部長を尾行しろとはどういうことだ!」のハーンをアテた勝田久も『鉄腕アトム』のお茶の水博士役でした。「敵を陥すには女とバクチに限る」のラハドをアテた中田浩二は、オフィシャルサイトでは『サンダーバード』のスコット役と説明されていますが、洋画の吹替でも活躍している人です。『ワイルド・ギース』をはじめとするハーディ・クリューガーは何本もアテています。クールな声の質がが悪役向きなのでしょうが、「敵を陥すには…」であたふたするラハドは少しコミカルでした。「恐怖の殺人幻覚剤ADX」のネスビットの飯塚昭三は、洋画、アニメを問わず大変声を良く聞きます。仮面ライダーシリーズなど特撮ヒーローものの怪人もよくアテています。

  「目撃者 俺達は見たくて見たんじゃない」で非業の死を遂げるトミーの声優・安原義人は、元祖メル・ギブソン。『マッド・マックス』のテレビ吹替は、安原バージョンのみです。『バード・オン・ワイヤー』のテレビ放送も安原氏でした。彼がよく担当していたのは、マイケル・サザランで、『黄金の指』『リーインカーネーション』『激走5000キロ』なんかがあったと思います。 「右手がダメでも左手があるさ」のテロリスト・マイヤーの声の納谷六朗も、洋画やアニメで大活躍している人です。納谷悟朗氏の弟だということは広く知られていますが、兄とは似て非なる声質で、脇役での吹き替えが多いです。スティーヴン・キング原作のテレビ・ムービー「ザ・スタンド」でミゲル・ファーラーをアテたときは、普段と違うドスのきいた声でファーラー以上の演技でした。その他にも取り上げたい声優は多いのですが、文字数がオーバーしそうなので割愛いたします。

 CI☆5は、現在主役クラスで活躍している声優、大御所の声優が大量に出演しているドラマだと思います。傑作選未収録の「白い粉をまきちらすボクシングの英雄」の青野武(モンティ・パイソンのマイケル・ペリン)、「盗みで蔵がたつ程甘くはないんだ」の仁内建之(ジョン・カサベテスの吹替多し)、「スパイの引渡しには裏の裏があって当然なんだ」の田中康郎(007シリーズのQの声) など、まだまだ名吹替・名声優の宝庫です。ぜひ「特捜班CI☆5傑作選DVD-BOX PART2」が発売されること、願わくば全エピソードがDVDになることを祈ります。

 



●ドイルとボーディもパブ通い
 CI☆5を見ていると、パブのシーンがよく出てくることに気付く。パブは日本でいえば、カフェ兼居酒屋といったところ。ドイルとボーディも、英国人らしく仕事の終わりにはパブに通っていると思われる。(ランチのときにも1杯ひっかけていることも多いようだ)"傑作選"でチョイスされた12話だけでも、頻繁にバプのシーンが見られる。主に飲んでいるのは、ビール、ワイン、スコッチ。なかでもビールの飲酒率が高い。

●英国のビールの特徴
 パブで飲まれるビールは、おおまかに次の種類である。まずはビターと呼ばれるもの。上面発酵(常温で短期間で発酵させるタイプ)ビールで、代表はビターエール。ホップ添加量が多く、フルーティーな香りが特徴。アルコール度数は4%程度とで、色は褐色。次はラガーと呼ばれるもの。下面発酵(低温でじっくり発酵させるタイプ)のビールで、世界中で最も多く作られ、飲まれている。アルコール度数は5%前後で、淡い黄色。最後はスタウト。大麦を焦がしたものを加えることで、より芳醇で強い味わいの黒ビール。代表はギネス。絹のようにクリーミーな泡が特色である。

●CI☆5の主人公たちの酒の飲み方
 では、特捜班CI☆5の面々は、酒をどう楽しんでいるのだろう。「ミックスダブルス 殺し屋VSボディガード」のタイトルテーマが終わった後、“The White Lion”というパブが映る。中では、厳しい訓練の合間に(昼間から)ドイルとボーディがビールを飲んでいる。ドイルは、色からしてビターエール、ボーディは恐らくラガーをひっかけているようだ。このエピソードにはもう一度パブのシーンが出てくる。ドイルたちと敵の殺し屋がパブで居合わせるシーンだが、殺し屋2人はハーフパイントグラス(1パイントは568CC)で一杯。
 「部長を尾行しろとはどういうことだ!」のタイトルテーマ後に出てくるパブではアルフィの送別会が開催。そのシーンのボーディは、なんとピッチャーを抱えて歩き回っている(まさか、ピッチャーごとビールを飲んでいるのか?) 
 「照準を合わせる相手が問題なんだ!」のパブのシーンでは、ドイル、ボーディとも珍しく赤ワイン。ボーディはその後、白ワインのグラスを持って店の歌姫を口説きにかかる。しかしテーブルに鎮座するワインボトルの向こうに、ビールグラスとエールの瓶が見えるので、やはり最初はビールからとみた。
 「敵を陥すには女とバクチに限る」は酒を飲むシーンが目立つエピソードだ。部長はドイルの家でスコッチを一杯。ボーディは、カジノで負けた後にウイスキーのダブルを注文。ボーディがラハドと密談するときには、ワインを飲んでいる。但し、手前にビールのグラスがあることから、スタートはまたもやビールのようである。そして事件解決後には、シャンパンを皆であおる。
 「目撃者 俺達は見たくて見たんじゃない」で、事件解決の後に3人がシャンペンをラッパ飲み。銘柄の一部が確認できるが、どうも“Moet & Chandon Brut Imperial”というフランスのシャンペンのようである。今買うと、1本300ドル以上!これは豪快である。

●コーレイ部長はパブでは肩身が狭い?
 パブのほとんどはビール中心で、それ以外の酒は充実していない。スコッチ党のコーレイ部長は、当然パブから足が遠のくはずだ。『部長を尾行しろとはどういうことだ!』『怯える女 闇から呼ぶ声は誰だ』でも、スコッチを飲むシーンがあるが、もっぱら相手の部屋で一杯いただくという場面ばかり。いつもスーツでビシっと決め、風格のある部長にビールが似合わないということもあるだろうが、スコッチを飲むシーンが“つなぎ”的な場面ばかりで、ちょっと寂しい。

●CI☆5に出てくる食事についてちょっと一言
 いくら忙しいCI☆5部員も食べなければ生きてゆけないわけで、エピソードの中にも食事シーンはしばしば出てくるが、これがもっぱら“食べない”シーンばかりなのが面白い。
 「部長を尾行しろとはどういうことだ!」のハーンの別荘で会食するシーンでは、カナッペと、それに塗るバターもしくはクリームチーズ、そして果物しかない。食事が終わった後のデザートタイムのようである。
 「怯える女 闇から呼ぶ声は誰だ」では、Chinese Garden”という中華レストランでボーディとスーザンがテーブルについているが、料理はなくお酒だけ(ここでもボーディはビール)。このエピソードで張り込み中のボーディにドイルが差し入れるのがレバーソーセージのサンドイッチ。もちろん、これも食べない。ドイルが「売れ残っていてかわいそうだから買ってきた」というのがまた皮肉が利いている。イギリスの料理はまずいと言われるが、そのイギリス人ですら買わない“キング・オブ・まずいもの”の象徴ということなのだろう。

 


 CI☆5の日本最初の放送は、ご存知のとおり、名古屋CBCテレビでありました。1982年5月4日(火)から、今回、判明した裏話?によりますと、「刑事コジャック」の次の番組として、22:00という、いい時間帯での放送だったそうです。47話あたりから、土曜23:40分という、びみょ〜な時間に移ったものの、無事全話放送していただけたそうです。

 他の地方での放送に関しては、詳しい事はわからないのですが、関東、広島、岡山あたりなどは、だいたい、同年11月ぐらいから始ったと言う事です。ただ…。当時どの地方の放送についても言えるのが、まともに全話放送してくれた局は少なかったと言う事。放送時間は深夜、ひどいところはすでに明け方。当時はビデオデッキの普及率もまだ低かったのにどうやって見ろってんでしょうね。放送順に関してはどの局もむちゃくちゃ。地上波放送順さえあてにならず、中には、「東京からフィルムがきません」と1ヶ月以上お休みになった局もあったそうです。

 肝心の関西地方での放送ですが、最初に放送されたのは、1983年2月17日。名古屋で最初の放送が始まってから実に9ヵ月後の事でした。放送局は、ABCテレビ。ここで、東京が日テレなのに、どーして読売テレビじゃないんだという突っ込みが入るかもしれませんが、キー局が名古屋と言うのがポイント。名古屋CBCがキー局の番組は、関東では日テレですが、関西ではABCなのです。これが、もしキー局が日テレだったら、読売テレビはあまり海外ドラマを放送してくれなかったので、見れなかった可能性も高く恐い所でありました。

 時間は23:25という、わりと恵まれた時間。予告もあったし、制作や、メインだけとは言えキャストも出てたのです。ところが!夜中の放送枠って、特番や野球の延長なんかが入ると飛ばされちゃう事がよくあります。第10話を放送した時、予告が入らなかったので、嫌な予感はしてました…。1週お休みした次の週。放送したのはなんと第12話!後はもう、お休みするたび1本飛ぶという最悪パターン。1984年1月10日まで、放送期間は1年ありましたが、実際に放送されたのは半分だけ。テレビ局に抗議はしましたが、放送予定はないと冷たく言われてしまったのです。

 しかし、怒りというか呪いが通じたのか、同年3月14日より、唐突に放送再開。時間は0:55と遅くなりましたが、前回飛ばした分を丁寧に拾って放送してくれましたよ。だったら、最初っから飛ばすな! 当時の放送リストを見たら、最初の放送では、まだ飛ばしながらでも地上波放送順通りでしたが、放送再開時は、それさえ無視しておりました。結局全話放送してくれたから、文句言っちゃバチ当たりますけどね。

 その後、おそらく1986年頃にもう一度、放送がありました。水曜0:50〜と時間は遅かったのですが、今度は地上波放送順通りにきっちり全部。ビデオを見ても放送局はわからなかったのですが、当時の切り抜きを見ると毎日テレビとなっておりました。

 それ以後、放送局がローカル局のサンテレビや京都テレビに移ってしまい、私のところでは見れなくなってしまいました。だから、それからのデータはないのですが、関西最後の放送はわかってます。平成2年、サンテレビでありました。

 結局、関西で何回放送したかと言うと、ローカル局に移ってからは数えてないのではっきりした事は言えませんが、5回までは数えてたような気がします…。今になってみれば、関西が一番恵まれてたと言う事になるのでしょうね。

 


 ハードなイメージを取り戻したと定評があった、ピアース・ブロスナンのジェームズ・ボンド。彼が無名時代にチョイ役で出演していたのが、実は「特捜班CI☆5」。「大統領の娘のつっぱりには困ったもんだ!!」に、CI☆5局員として出演しているのだ。

 そのブロスナン=ボンドの第一作『ゴールデンアイ』の監督マーティン・キャンベルも、「特捜班CI☆5」の演出を手掛けていた。今回の傑作選DVD-BOXには収録されていないが、「寒い国から帰って来たスパイを待つ第4の男」「防衛機密と娘の命とどっちが大事だ!」「横領に女を使うなんて最低なんだ!!」などのスパイ色・アクション色が強烈なエピソードや、「マフィアからの贈り物は花束の爆弾」「頂上作戦 組織再興 皆殺しのバラ―ド」など裏社会をからめたエピソードを演出している。『ゴールデンアイ』のブロスナンの機敏な銃さばきは、なんとなくCI☆5っぽいこだわりが感じらる。

 『ゴールデンアイ』には、他にも“CI☆5”組が参加している。セカンド・ユニット監督のイアン・シャープは「あぶく銭は身に付かないものなんだ!」「優秀な奴ほどキレると怖いものだ」「作戦暗号名スージー その女を保護せよ」の演出。撮影監督フィル・メフューは「怯える女 闇から呼ぶ声は誰だ」「大統領の娘のつっぱりには困ったもんだ!!」を演出しているのだ。

 さらに、CI☆5と007シリーズは、もともと切っても切れない関係にある。「影武者の影武者 じゃ本物は誰だ!」の演出トム・クレッグは『007/サンダーボール作戦』のスタントマンをやったことがあり、「甘い罠には痛いトゲがあるものなんだ」に出演したウォルター・ゴテルは、『007/私を愛したスパイ』から『007/リビングデイライツ』までロシアの高官役で出演している。ゴテルは『007/ロシアより愛をこめて』でスペクターの一員も演じていた。『007/ユア・アイズ。オンリー』の殺し屋ロッケを演じたマイケル・ゴダードは、「殺しのターゲットは敵に情報をもらす奴」にも殺し屋役で出演した。そしてボーディ役のルイス・コリンズが4代目ジェームズ・ボンドの候補にあがっていたことは、CI☆5ファンなら周知の事実。

 そして、2006年11月全英・全米公開予定の007シリーズ第21作“Casino Royale”に、再びマーティン・キャンベル(監督)と、フィル・メフュー(撮影)が抜擢! ダニエル・クレイグ演じる“ニュー・ボンド”とCI☆5の、“新たなる融合と進化”に期待が高まるところだ。

 こうなったら、007新作の公開にあわせて、なんとか傑作選DVD-BOXの続きをリリースしたい! いや、するべきだ!! (身内の投稿ですみません…)

 


ニュースキャスター(以下、N)「さて、次のニュースです。本年度の『理想の上司』リサーチの結果が発表になりました。ことしは意外な人物がランキングに入り、話題を集めています。この調査は毎年恒例で行われており、新社会人や就職活動をしている学生などを対象に「あなたの理想の上司を誰ですか」などの設問に答えてもらうものです。ブレア首相や、テレンス・コンラン氏、アレックス・ファーガソン監督らのほか、今年、新たに、クリミナル・インテリジェンス・ファイブを率いるジョージ・コーレイ部長が名を連ねました。これまでにも、政治家が上位に入ることはありましたが、彼のような、いわば普通の公務員の方というのは、異例のことと言えるのではないですか?」

コメンテーター(以下、C) 「そうですね。「理想の上司の条件とは」の問いには、「強力なリーダーシップ」「決断力」「仕事に情熱を持っている」「良好な人間関係を築ける」などが挙げられており、コーレイ氏も、この点が評価されてのランクインと考えられます」

N 「彼の名を一躍有名にしたのが、ADX混入事件でしたが」

C 「ああ、あの事件では、彼が直接捜査に携わったと聞いています。なんでも情報屋に自白させるときに、戦争で地雷原を捕虜に歩かせたことを話して脅したそうですよ」

N 「しかし、そんな荒っぽい捜査方法を批判する人もいます」

C 「あの事件の場合、一刻も早く解決しなければ、より多くの市民の命が失われる危険があった。なにが最優先事項なのかをはっきりと認識している責任者と言えますね。プライオリティが明確だから、目的への最短の手段をとるし、部下への指示も迅速で的確。また、コーレイ氏は、後で自分の立場が悪くなるかもしれないといったエゴとは無縁で、徹底して悪は許さない、という姿勢を貫いています。そうした、ゆるぎないところが、強力な指導力と情熱の持ち主として信頼を集めているのでしょう」

N 「銀塊輸送車襲撃事件では、目撃者殺害という事態もありましたが」

C 「われわれ、報道機関にもその責任の一端はあるとおもいますよ。犠牲になった方は本当に気の毒でした。しかし、彼の一切弁解せずマスコミへの報道規制緩和の全責任を負う、という態度は、上に立つものとして潔かったですね」

N 「そのほかに、調査では、人間関係が築きやすい、ということも理想の上司の条件に数えられています」

C 「その点も、彼は、うまく部下を育てているようですよ。いい仕事をした者には、スコッチを振舞うそうです(笑)。まあ、そんなたわいないこと以外にも、彼は、いつも部下を叱りつけているだけではないそうです。CI☆5の人間から聞いたのですが、軍事機密のライフルの盗難事件があったときも、盗まれたことをくどくどと怒ることはなく「じゃあ、どうやって解決すればよいのか」という次の一手を自主的に考えるように促してくれたとか。ビジネスの場でも、ミスを犯さない無難さよりも、起きてしまった事態をいかに回復するかという収拾力を育ててくれる上司の方が魅力的ですよ。キミだって、本番中のミスをぐずぐず言われるよりも、ハプニング時の対処法を教えてくれるような上司のほうがいいでしょう」

N 「なるほど。私がキャスタ―として伸び悩んでいるのは、上司に恵まれていないせいかしら(笑)。では、皆様、今日はこれでお別れです。明日4月2日の同じ時間にお会いしましょう」

 


 世の中に「バディもの」とくくられる刑事ドラマは数多くあります。海外だったら『刑事スタスキー&ハッチ』や『リーサル・ウェポン』、『ラッシュ・アワー』シリーズ。日本でも古きは『噂の刑事トミーとマツ』から『あぶない刑事』、あんまりヒットしてなかったけど反町隆史と押尾学のコンビもの、なんてのもありましたね。

 「特捜班CI☆5」の魅力を語るとき、ボーディ&ドイルの名コンビぶりを挙げる人は多いでしょう。私もその一人です。ただし、普段の私は、男性キャラがつるんでいるのを見るのは、あまり好きではありません。その私が、なぜ、この二人だけは好ましく感じるのか。それは、ボーディ&ドイルが必要以上にベタベタしていないからだと思います。

 スクリーンやテレビのドラマの中の男たちは、どうして、ああもいつも一緒に群れたがるのでしょうか。朝から晩まで仕事でいっしょだというのに、プライベートの時間さえもベッタリです。職場を出てもいつも同じメンバー同じパブでグチ、いっしょのジムに通って仲良くエクササイズ、日本の連ドラだったら、だれかの誕生日だと言っては鍋パーティー、彼女に振られれば慰めに家まですっ飛んできてくれます。甘アマです。

 その点、ボーディ&ドイルは勤務中にいっしょに食事をとるのは仕方ないにしても、仕事が終わってからも飲み屋で部長のグチを延々言い合うようなことはありません。非番のときは、それぞれのガールフレンドと楽しく過ごしているようですし、お互いに干渉しあったりする気配はありません。それでも、命に関わるような重大事には、何があっても一番にかけつける。これこそが「男の友情」ではないでしょうか。

私は、この2人の干渉せずとも思いやっている、という関係性が、「CI☆5」というドラマに大人っぽい落ち着きを与えているのでは無いかと思います。「姿なき仕掛人 時限爆弾は白昼炸裂する」で爆弾魔に狙われたボーディ。かけつけたドイルが解体処理を始めるも、余分な励ましや恨み言はナシ。お互いに目を合わせて確認するだけです。でも、これだけで、ふたりが信頼しあい敬意を抱きあっているのがじゅうぶん伝わります。

 バディもの、というのは仕事上のパートナーであるにもかかわらず、「凸凹コンビ」ぶりを強調するためにキャラクターがはしゃぎすぎていたり、価値観の違う他者が心を通わせる過程を描きたいあまりに、個人的でウェットなエピソードをおりまぜたりします。私に言わせれば、トゥーマッチです。過剰な仲良しぶりは、逆に「作り物」めいた男の友情しか感じさせてくれません。本当の友情と信頼を描くのにそんな描写は要らないのだということを「CI☆5」が実証してみせてくれています。

 …と得意げに語ってしまいましたが、脚本家にしてみれば、「CI☆5」のストーリーは事件の細部を描くのに精一杯で、単に2人の私生活を描写するために割く時間がないだけなんだ、ってことかもしれませんね。

 


  CI☆5における男の友情とくれば、やはりこの二人でしょう。どんな時でも、相棒がいれば大丈夫と確信できる絶対的な信頼で結ばれた部長ご自慢のコンビ。今回、少し違った角度でこの二人の友情に触れてみたいと思います。

 この二人、一見、ボーディの方が年上に見えます。さらによく見てると、いつも、相棒の面倒見てるのはボーディの方に思えます。実際はドイルの方が一応年上で、捜査においても先輩です。が、実戦と言う事になると、踏んだ修羅場の数だけボーディの方が上手。元刑事のわりに、結構スキだらけのドイルは、よく危機に陥りましたが、たいていボーディが助けてました。だからって、実際に狙撃までされた「照準を合わせる相手が問題なんだ!」での、「お前が助けてくれる」とか、「(後ろは)お前、見ててくれ」ってのは、ちょっと甘えすぎ?と言うか、そこまで甘やかすな、ボーディ。

 ドイルが落ち込んだら宥めすかして浮上させ、やさぐれた時には、怒るドイルの八つ当たりを、一発喰らってもちゃんと受け止めて発散させ、張り込み中に派手な喧嘩しそうになったら、羽交い絞めで押さえ込んでも止める。荷物を全部持たされても、休暇潰して振り回されても、いつもボーディはしっかり面倒見てくれました。

 それだけに、そのボーディが刺されて死にかけた「黒人差別の張本人は誰なんだ!!」での、ドイルのキレ様は凄まじいものがありました。そんなドイルの性格をよくご存知で、それゆえに捜査から外そうとした部長に向って喧嘩ふっかけた過激なドイルは、「ドイルを怒らせたな、気の毒に」と部長に言わしめたほど、怒りくるって犯人を追い詰めていきました。

 しかし、「逆恨みで殺されるなんてまっぴら御免だ!!」で、そのドイルが撃たれて生死の境をさまよった時。「照準を合わせる相手…」での過激な脅しや、「独裁者とは敵が多いものなんだ」での、部長命令を無視してドイルを助けに走った行動。さらには「暴かれた最新戦闘機の欠陥」では、部長相手に派手に喧嘩売るしで、これはドイルが撃たれでもしたら、手のつけられないほど過激になるのではと思わせてたボーディでしたが、とにかくドイルが心配でそれどころではなかったようで。「お前がここにいて何の役に立つというんだ」ってな部長のお言葉ごもっともですが、それでも、「ここにいさせてください!」ってのが、相棒としての本音でしょう。しかし、犯人探しにボーディは必要不可欠。無理に引っ張ってかれたからって、すねないで下さい。ほんとに、部長さえ手を焼く見事なすねっぷりでございました。

 さらには、いっそ健気なほどに、一心にドイルの回復を願うその姿に、いつも甘えるドイルの面倒をみてるように見えてたけれど、実際にはより懐いてたのはそのボーディの方じゃなかったんだろうか、と思ってしまったのです。懐いてるからこそ、振り回されても文句も言わずについて行く、という見方も出来る事に、気付いてしまった23年目の冬でございました。

 甘えるのも懐くのも、相手を信頼してるからこそですが、普段クールなドイルが、ボーディには素のままで甘えられるのは、ボーディが自分の事を一途に信じて懐いてくれてるからなのかもしれません。犯人の顔を思い出したドイルがかすかな視線の先にボーディの姿を見つけて、わずかに指を動かしてみせました。ボーディならこれで犯人がわかる筈と信じて。そしてドイルは絶対にあきらめないと信じていたボーディはしっかりその期待にこたえてみせたのです。

 
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