超豪華声優の共演による、
テレビ放映当時の日本語吹替音声収録
 今回の「ユナイト・マカロニ究極選」のすべての作品に、26年以上前に地上派テレビで放映されたときの日本語吹替音声を収録いたしました。 納谷悟朗、小林修、野沢那智、小林清志、田中信夫、内海賢二、羽佐間道夫など、現在ではキャスティング不可能ともいえる超豪華声優が一同に介しています。


★夕陽のギャングたち オリジナル英語・特別版
小林 清志:ジェームズ・コバーン(ショーン) 
 ジェームズ・コバーンを吹替えて数十年以上、「ルパン三世」の次元大介の声もこの方。他にもリー・マーヴィン、トミー・リー・ジョーンズなどが持ち役ですが、マカロニ・ファンには何といってもフランコ・ネロの吹替えでお馴染みですね。「続・荒野の用心棒」「真昼の用心棒」「ガンマン無頼」のほかに、マカロニ以外でも「ダイ・ハード2」でエスペランサ将軍を演じたネロまでも吹替えています。
 「豹/ジャガー」では、ネロは石田太郎に譲りましたが、代わりにジャック・パランス演じるカーリーの声を担当しました。「さすらいのガンマン」のアルド・サムブレルの声では、激情型の悪役を演じていますので、ぜひ聴きくらべてみてください。

★夕陽のギャングたち オリジナル英語・特別版
富田 耕生 :ロッド・スタイガー(フアン) 
 「夜の大捜査線」などのアカデミー俳優、ロッド・スタイガーが持ち役。「マーズ・アタック!」でのスタイガーも律義にアテていて、ファンはニンマリとしたことでしょう。他にもアーネスト・ボーグナイン、チャールズ・ダーニング、デニス・フランツなど、“イイ顔のオヤジ”の声が多い方です。マカロニウエスタン関係では、「怒りの荒野」の狡猾な銀行家などがあります。

★西部悪人伝・西部決闘史
納谷 悟朗 :リー・ヴァン・クリーフ(サバタ) 
 吹替業界では大ベテランの方です。テレビの洋画劇場の初期から活躍し、クラーク・ゲーブル、チャールトン・ヘストン、ジョン・ウエイン、ロバート・ライアンなどハリウッドの大スターの声を持ち役としています。
リー・ヴァン・クリーフは「夕陽のガンマン」他、ほとんどを吹替えており、「西部悪人伝」と「西部決闘史」も納谷氏の声です。
 「荒野の用心棒」の最初のテレビ放映では、
クリント・イーストウッドの声を担当しましたが、当時既にイーストウッドを持ち役としていた故・山田康雄氏にわざわざ断りを入れてから吹き替え現場に臨んだそうです。また、ご本人もマカロニウエスタンのファンで、クリーフに限らず多数のマカロニ・スターを吹替えています。(この辺りの詳細は、一部テキスト公開しております→こちらへ)

大西部無頼列伝
小林 修 :ユル・ブリンナー(サバタ=インディオ・ブラック) 
 初期のラジオドラマ等、吹替の創生期からお仕事をされている方です。
ユル・ブリンナーが持ち役で、「荒野の七人」でも声を担当。ブリンナーがゲスト扱いの「ウエスト・ワールド」でも、きちんと声をアテていらっしゃいます。他にも、「スター・トレック」のチャーリー役や、「アメリカン・ヒーロー」のロバート・カルプ、「特攻野郎Aチーム」のロバート・ヴォーンなどの声を担当、テレビの洋画劇場で週に一度はお声を聞く方です。ガンメンBOX収録の「さすらいのガンマン」では悪徳医師リンをドスのきいた声で吹替えています。

★大西部無頼列伝
野沢 那智 :ディーン・リード(バランタイン「大西部無頼列伝」)
 ロバート・レッドフォード、アラン・ドロン、ダスティン・ホフマン、クリストファー・ウォーケン、ジェームズ・ウッズなど、ハリウッドの二枚目スターから性格俳優まで器用にこなす凄い方です。「スター・ウォーズ」シリーズのC−3POなどコミカルな役も得意。マカロニウエスタンでは
ジュリアーノ・ジェンマを持ち役とし、「怒りの荒野」「夕陽の用心棒」「南から来た用心棒」「荒野の1ドル銀貨」などなど、ジェンマ主演作のほとんどを吹替えています。

★西部決闘史
青野 武 :ライナー・ショーン(クライド「西部決闘史」)
 「モンティ・パイソン」のマイケル・ベリンが持ち役で、「ワンダとダイヤと優しい奴ら」や「危険な動物たち」のペリンも担当し、トボけたコメディ演技(声の)を披露してくれたベテラン中のベテランです。「刑事ナッシュ・ブリッジス」のチーチ・マリン、「リーサル・ウェポン」シリーズのジョー・ペシや「ロマンシング・ストーン」のダニー・デヴィートなど、コミカルな役者をアテることが多いのですが、実はシリアスな演技もイケてます。
 「ゴッドファーザーPARTII」では、
ロバート・デ・ニーロのしわがれた声を見事に再現、抑えた演技で渋さとコワモテ感を完璧に演じていました。ウェス・クレイヴンの監督デビュー作「白昼の暴行魔PART2(劇場公開題&ビデオ題:「鮮血の美学」)のイカれた殺人鬼デヴィッド・ヘスのキレた演技も鳥肌ものでした。「さすらいのガンマン」のダンカンの弟の声も担当していますので、悪役ヴォイスも聴くことができます。

★西部悪人伝・西部決闘史
雨森 雅司 :ペドロ・サンチェス(カリンチャ「西部悪人伝」、ブロンコ「西部決闘史」)
 
オーソン・ウェルズなど、貫禄ある役者を多く吹替えた方です。「天才バカボン」のバカボン・パパの声といえば、ほとんどの方が御存知でしょう。今回のペドロ・サンチェスの声でも、粗野ながらどことなく憎めない役柄を、その個性的な声で表現しています。(故人)

★さすらいのガンマン
田中 信夫 :
バート・レイノルズ(ジョー「さすらいのガンマン」) 
 シドニー・ポワチエを中心とした、
黒人スターの声はだいたいこの方です。その他に有名なのは、「コンバット!」のサンダース軍曹役のヴィク・モローとバート・レイノルズでしょう。「水曜スペシャル」の川口探検隊シリーズや、「TVチャンピオン」のナレーションでもお茶の間にお馴染みの声です。
 本作「さすらいのガンマン」のレイノルズは、ブレイクした70年代のワイルド感が薄く、好青年といった雰囲気なのですが、それでも
“いつもの”田中信夫が声を演じているのがファンにとっては涙ものです。

★さすらいのガンマン・帰って来たガンマン
池田 昌子 :ニコレッタ・マキャヴェリ(エステラ「さすらいのガンマン」、マリアン「帰って来たガンマン」) 
 イタリアの元祖“至宝”女優、
ニコレッタ・マキャヴェリの声を担当。「ローマの休日」などのオードリー・ヘップバーンや、メリル・ストリープなどが持ち役です。ハープを奏でるような気品ある美声の持ち主ですが、演技のほうも最高クラスです。ヘップバーンの「暗くなるまで待って」では本人以上の名演技を声だけで表現、「永遠に美しく(ビデオ版)」のメリル・ストリープでは、放送禁止用語スレスレのせりふを連呼。本物のプロ魂を思い知らされます。「さすらいのガンマン」のエステラ役でも、素晴らしい声の演技を披露しています。

★豹/ジャガー
石田 太郎 :フランコ・ネロ(セルゲイ「豹/ジャガー」) 
 小池朝雄亡き後の
「刑事コロンボ」を担当し、ドラマなどで顔出しも多い方です。「ルパン三世・カリオストロの城」のカリオストロ伯爵を演じた後、テレビの洋画劇場の吹替えに進出したと思われていますが、実は「豹/ジャガー」の吹替えは約30年前に制作されたもの。石田さんの声も、今とは似ても似つかぬ声で、さわやか青年のような音色です。これは一聴の価値ありです!

★豹/ジャガー
高山 栄 :トニー・ムサンテ(パコ「豹/ジャガー」) 
 高山栄といえば、「サンセット77」のクーキー役やアニメ「エイトマン」の
エイトマン役で馴染み深い方ですが、映画の吹替もけっこうあります。「豹/ジャガー」では、無学ですがお人好しのパコの声を絶妙に演じています。ラジオ番組やナレーションのお仕事も多く、現在は福祉・健康関連の講演活動をボランティアでなさっています。

★帰って来たガンマン・大西部無頼列伝
内海 賢二 :
トーマス・ハンター(ジェリー「帰って来たガンマン」) 
 
スティーヴ・マックイーンや「Dr.スランプ/アラレちゃん」の則巻千兵衛で、皆さん御存知だと思います。ロバート・ショー、ヤフェット・コットーほか「007」シリーズの歴代悪役を多数演じ、「007/ダイヤモンドは永遠に」の再録吹替版でショーン・コネリーまで演じてしまった芸域の広いプロフェッショナルです。
 「帰って来たガンマン」で演技の固い
トーマス・ハンターを、声の演技でカバーした技量は凄いです。本作については、ぜひ吹替音声でお楽しみください。(「大西部無頼列伝」のペドロ・サンチェスも内海賢二です。両作での声のギャップも“聴きどころ”です)

★帰って来たガンマン
羽佐間 道夫:ヘンリー・シルヴァ(メンデス「帰って来たガンマン」) 
 守備範囲の広さでは、トップクラスに入るベテランで、シリアスものからコメディまで何でもこなしてしまう方です。
ディーン・マーティン、ロイ・シャイダー、ピーター・セラーズ、ジョージ・ペパード、シルヴェスター・スタローンなど、挙げてゆくとキリがありません。演技調ではない、自然な発声を心がけているそうですが、その言葉通りに、耳に心地よい柔らかな声と演技が特徴です。本作のヘンリー・シルヴァは悪役ですので、声を裏返しての熱演をされています。「トータル・リコール」のマイケル・アイアンサイドなど、実は悪役を演じさせてもイケてます。

★帰って来たガンマン
千葉 耕市 :ダン・デュリエ(ゲッツ「帰って来たガンマン」) 
 もともとはアフレコ現場などで
音響を担当されていた技術者なのですが、その個性的な声で声優業もこなすようになった方です。いわゆる“ホラー声”で、かつて「サスペリア」のTVCMのナレーションでお茶の間を震え上がらせました。持ち役はクリストファー・リーで、「007/黄金銃を持つ男」や「帰ってきたドラキュラ」などを吹替えました。その一方でコメディも得意で、「名探偵登場」のアレック・ギネスのオカマ演技の吹替えは爆笑ものでした。本作「帰って来たガンマン」のダン・デュリエの声は、珍しく(失礼!)カッコイイ役まわりです。(故人)


 その他、
仁内建之(持ち役:ジョン・カサヴェテスなど)、飯塚昭三(持ち役:「モンティ・パイソン」のテリー・ジョーンズなど)、服部哲治(NHK大河ドラマ「赤穂浪士」「竜馬がゆく」など出演)、翠準子(持ち役:エヴァ・ガードナーなど)、鈴木弘子(持ち役:ジャクリーン・ビセットなど)、此島愛子(持ち役:ソフィア・ローレンなど)島宇志夫(持ち役:カール・マルデンなど)、神田隆(俳優、「ウルトラマンレオ」高倉司令長官など)、大木民夫(「パットン大戦車軍団」のジョージ・C・スコットなど)、若本規夫(「特捜班CI5」のボーディなど)などの声を聴くことができます。

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