吹替音声の存在しないものは
テレビ放映と同じ声優キャストで追加新録
 古い作品が多いことから、どれも最後にテレビ放映されたのが20年以上前でした。こういった昔の映画の多くは、最初に120分枠で放映されると、次回以後は深夜の枠にまわされ、90分枠にカット・編集されて放映さていました。

 これに該当したのが、
「西部悪人伝」「さすらいのガンマン」「夕陽のギャングたち」の3本。放送枠が90分ということは、CMをカットすると約70分になります。これでは正味100分前後の作品に収録しても、全体の3分の1が英語音声の字幕表示になってしまいます。そこで我々は、日本語吹替版を制作した会社に相談し、一番最初に放映された際の日本語音声を探してもらいました
 その結果
「さすらいのガンマン」についてはカットされた部分の音源が見つかり、一部不適切な語句を除いて全編に日本語音声が復元されたました。

 しかし、問題は
「西部悪人伝」「夕陽のギャングたち」です。結局、両作品ともカットされる前の音源は発見されませんでした。そこで、「西部悪人伝は日本語音源が不足している40分について、追加収録を敢行しました。もちろん、リー・ヴァン・クリーフは納谷悟朗さんにお願いしました。その他の声優の方はほとんど故人でしたので、声質の似た方を厳選して再録しました。
 
「夕陽のギャングたち」は、もともと2時間半以上のものですので、70分の音源を収録すること自体が意味がありません。こちらは、主だった声優さんが御健在ですので、テレビ放映と同じキャストで全編収録しなおすことに決定いたしました。
 
 
「帰って来たガンマン」「豹/ジャガー」は初放映から90分枠用に日本語吹替が収録されていましたので、そのまま収録してあります。「帰って来たガンマン」はもとが90分であるうえ、日本語音声が欠落している個所も会話が少ないシーンばかりですので、ほとんど違和感なくご覧いただけます。但し、「豹/ジャガー」は20分ほど日本語が出ない個所がありますので、それを補完するための“隠しコマンド”を設定いたしました。どんなコマンドかは実際にご自分でお確かめいただければと思います。

 
日本の吹替は、技術・質もとに世界トップ・クラスです。かつてアカデミー授賞式で、吹替場面が紹介されたことがあり、他の言語の吹替では会場が失笑していましたが、日本語の吹替場面だけは一切笑いがおこりませんでした。それほど違和感ない、完璧な吹替だったわけです。そんな世界に誇る“文化遺産”でもある吹替音声を楽しんでいただくため、今回のDVD商品にあえて収録いたしました。
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